アクティビストクラス レポート<第


7月9日、第5回目のアクティビストクラスが行われました。

今回のゲストは、宮田尚幸さんでした!

 

 

【アクティビストクラスとは】

 

カレッジの4か月コースには、「リレーションシップクラス」「ペタゴークラス」「ナチュラルフードクラス」「ストーリーテリングクラス」などさまざまなクラスがあります。

(クラスについて、詳しくはこちらへ

その中でもこの「アクティビストクラス」は、『自分より”ちょっと大人”から学ぶ』をテーマに、”アクティビスト”をより広義に捉え、ゲストの方の生き様から自分の生き方・在り方を考えるクラスです。

 

 

【宮田 尚幸さん プロフィール】

尚工藝 / 風と地と木合同会社 代表

デザイナーとして就職したのち、大量生産大量消費をする仕組みに違和感を抱く。

海外での体験や服飾小物製品ブランドでの経験を経て、30才を目前にデンマークへ渡航する。

エグモントホイスコーレでの障がい者との暮らしの経験や、美しくデザインされたこだわりの杖との運命的な出会いを経て、現在はデンマークの杖のオーダーメイドブランド「Vilhelm Hertz」の日本での販売・「Njordrum」というデンマーク式住宅の販売、そして対話の場のデザインなどをしている。

 

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「土曜の午前っぽくやれたらいいなと思います」という、”なおさん”こと宮田尚幸さんの声で始まったこの日のクラス。

まずは、なおさんのライフストーリーを共有していただきました。

 

どこまでもやさしく、こちらの心がふわっとゆるむような雰囲気をまとっているなおさんですが、小学校のころから、恥ずかしがりやで生きづらさを感じており、早く”普通”になりたい、こんな自分には生きている価値がない、と感じていたそうです。

 

 

大学卒業後に就職した文具会社でのハードワークの中で、「社会不安障害」ということばに出会いました。そのラベルは、自分自身を少し楽にしてくれたと言います。

 

その後、英語を話せるようになることの必要性を感じていたことや、一度は海外で暮らしてみたいという気持ちがあったことなどから、2014年にイギリスに渡りました。

語学を学んだあとに旅をしたりして過ごしたその期間は、自分は自分のままでいいんだ、ということを感じさせてくれた期間だったそうです。

 

 

帰国後はずっと憧れていた服飾雑貨ブランドに就職し、そこではこだわりを貫く強さを身に着けた、といいます。

その後、デンマークのフォルケホイスコーレに行きました。

 

 

CMCも協働して学び舎づくりをしているフォルケホイスコーレですが、デンマークには様々なホイスコーレが計70校ほどあり、なおさんはそのうちの1つ、「エグモントホイスコーレ」に滞在していました。

 

このエグモントホイスコーレは、生徒の半数が障がいを持つ人で、残りの半数はそのアシスタントという役割で入学する、という特色を持っています。

なおさん曰く、「障がいの有無に関係なく生きるためにはどうしたらいいのか?」という問いに向き合っている学校、エグモントホイスコーレ。

 

ノーマライゼーションが機能しているこの学校での、下半身まひの日本人学生のヘルパーとしての暮らしや、在学中に行った福祉用具の展覧会で出会った、人の尊厳を傷つけない杖に大きく影響を受け、現在のなおさんの仕事や生き方があるようです。

 

 

対話し、デザインを使って、アート・社会・文化 を循環させるということを自らの哲学としているというなおさん。日本において対話的に話せる空間が無い、と思い対話の場を作ったりもされています。

 

後半は、そんな”対話”についてのお話しでした。

 

対話は、人と人が、重なるところを見つけ出そうとするプロセスだ、といいます。

 

答えは未知であり、自分にとって有用な情報を得るための聞き取り手段として話をするのではなく、答えや考えをどんどんふくらませていくようなイメージ。

 

 

その中で、「重ならないところもある」ということをわかっていることが大切です。

 

その人にしかわからないところがある、ということを知っていて、それを尊重する、多様性を受容する。

 

 

そんなことが含まれていた、なおさんが紹介してくれた”Dialogueの姿勢”の中に、「相手はいつも他者。他者から100%理解されることはない」と「他者を理解しようとする」、「新たな自分との出会い(変化)を恐れない」が含まれていたことが私にとっては印象的でした。

 

「理解できないけれど理解したい」という気持ちを持つことも、「新たな自分に出会う」ことも、どれもとてもエネルギーの要ることのように感じました。

 

そんな気持ちをなおさんに伝えてみたところ、だからこそ、余白の時間を持ったり、健康に気を付けたりこころと身体を整えてパフォーマンスを回復させることを心掛ける必要がある、と仰っていました。

 

外の世界に対して愛を持って関わることは、とてもエネルギーの要ることであり、でもその気持ちがなければ社会や他者への絶望ばかりが募ります。

 

だからこそ、多様性を認めながらもそれでも「理解したい」という気持ちを持ち続けられる自分を維持できるような、自分を回復させて持続的に歩いて行けるような、等身大の生き方を探していくことが必要であると強く感じました。

 

私たちは現在、カレッジを「持続可能なライフスタイルを探求するための学び舎」と表現していて、ここでの”持続可能なライフスタイル”というのは、まさにこのようなことだな、と思います。

 

自分自身の生存の持続可能性のことは、”インナーサステナビリティ”とも言うようです。

(”持続可能なライフスタイル”については、最近更新されたこちらのnote記事も是非ご覧ください。カレッジのファシリテーターが、このことばについて対話しています。)

 

 

デンマークのつえ職人の元での修行期間に師匠から言われた印象的なことばに、「対話とは民主主義であり、民主主義とは対話である」ということばがあるといいます。

 

デンマークにおいては、国やコミュニティは個人の集まりであると考えられているからこそ、個人同士が対話することが、実際にその集団を変えることに繋がっている、という民主主義の意識が強くあります。

 

ここで、「でも日本は文化が異なるから難しい」と言うのは簡単かもしれません。

 

そんな中、クラスに参加していたカレッジ生の1人が、今自分にとってカレッジは安心感を感じられる場所であり、そうやって文化の違いなど 今在るものを単に憂うのではなく、自分が居心地よく感じる場やコミュニティを自分達で作ったり、そんなコミュニティに居ることを選んだりしたい、ということを言っていたのが印象的でした。

一人でやるのは大変だからこそ、バイブスが合う人と一緒に、とりあえず何かをやってみればいい、となおさんが仰っていました

 

 

カレッジは、対話を大切にする学び舎としていますが、このアクティビストクラスでも、対話についてのお話しをしてくださった方が複数人いました。

他のクラスも含めて、様々な方の考える”対話”に触れ、より「”自分にとっての”対話」を捉えやすくなったような気がします。

 

他者と共に生きること、その難しさ。

でもその難しさを、うれしいこともあるものとして生きていく方法は、確実にある。と感じました。

そして、その方法の1つとして”デザイン”を用いるなおさんのお話しを、ナチュラルでありながらとても精密で、私たちにとって学びの多いものでした。

 

 

☆アーカイブ動画はこちらから



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投稿日2022/08/03
カテゴリーCollege Blog, 授業風景